※本記事の写真は快速みえの使用車両と同一の車両の写真ですが、取材時の種別は「普通」です。内装・外装ともに変化はありませんので、ご了承ください。
目次
about快速みえ
近鉄に対抗
「快速みえ」は、JR東海が名古屋駅と鳥羽駅の間で運行している快速列車です。快速列車ということで、乗車券のみで乗れる列車ではありますが、JRの快速列車としては全国有数の指定席車両を連結した列車でもあります。
伊勢鉄道線はJRの路線ではないので、当該区間を青春18きっぷなどで乗車される際は、追加料金が必要になってきます。
途中の伊勢市駅は伊勢神宮外宮の最寄り駅となっており、伊勢神宮参拝にも利用できる列車となっています。
ところが、実際のところ名古屋と伊勢・鳥羽間の需要は近鉄に奪われ、2両編成での運行も常態化しています。
近鉄が昼間でも6両で特急をかなりの本数走らせている事実を見ても、快速みえの閑散ぶりがお分かりになるかと思います。
快速みえ誕生の背景には、ライバル近鉄との闘いの歴史がありました。
敗北濃厚ながらも
そもそも快速みえが劣勢に立たされている理由は何でしょうか。
それは線路の規格がまず影響しています。
JR関西線や参宮線などは、路線が単線となっています。つまり、線路が1セットしか設置されていないので、駅もしくは信号場で行き違いを行う必要があります。
それに比べて、近鉄は複線、つまり線路が2セットですから、反対方面の列車を気にする必要はありません。
さらに、JRが一部区間で非電化、つまり電気が通っていない線路であるがゆえに、電車と比較しても性能で劣る気動車で運行されているのに対し、近鉄は全線電化されていますから、加速力などの面で優れる電車で特急を走らせることができます。
かたや複線電化、かたや単線非電化では、そもそも話にならないのです。
さらに、途中で経由する都市(四日市駅など)では、JRの駅よりも近鉄の駅の周辺が発展しており、わざわざJRを選ぶ乗客などほとんどいないわけです。
また、後述しますが、座席の機能やサービス面でも、JRは近鉄特急よりも劣っていると言えます。
近鉄特急の設備は以下を御覧ください。
以上の理由から快速みえは劣勢なのですが、JR東海の列車としてはかなり停車駅を絞って、限られた資源を有効活用して運行されています。
運行区間
運行区間
名古屋~鳥羽
使用車両
車両編成
車両編成
2両編成の場合
普通車自由席:2号車・1号車の半分
普通車指定席:1号車の自由席を除く区画
4両編成の場合
普通車自由席:2~4号車
普通車指定席:1号車
停車駅
停車駅
指定席料金
指定席料金
指定席料金:530円
指定席を利用する場合は、乗車券の他に指定席券が必要です。
車内サービス
フリーWi-Fiは利用できない
フリーWi-Fiは利用できません。
自動販売機もなし
自動販売機も設置されていません。飲み物などはあらかじめ駅で購入しておきましょう。
車内紹介
※本記事の写真は快速みえの使用車両と同一の車両の写真ですが、取材時の種別は「普通」です。内装・外装ともに変化はありませんので、ご了承ください。
外装
JR東海のコーポレートカラーであるオレンジの帯を巻いています。
気動車ですので、エンジン音はそれなりに響きます。
内装
自由席・指定席の両者間に設備の差異はないので、共通で紹介します。
車内全景
2列+2列のクロスシートが並びます。
座席
グレーのモケットは若干の月日を感じさせますが、座り心地は良好です。
車端部はボックスシートとなっており、グループ利用に最適です。
優先座席も設置されています。座席のカバーが黄色になっています。
コンセントは無し
コンセントは設置されていません。
テーブル
基本的にはテーブルが設置されていませんが、座席によってはミニテーブルが設置されている場合もあります。
カーテン
横にスライドするタイプのカーテンが装備されています。
棚
座席上部の棚は一般的なものです。荷物の取り忘れには十分注意しましょう。
フック
座席上部にフックが装備されています。
座席番号
自由席では気にする必要がありませんが、指定席に乗車した場合は座席番号を確認して、指定席券に記載された座席に着席するようにしましょう。
窓際
窓際にはペットボトルなどを置いておけます。
情報表示液晶
車端部には、号車番号や停車駅、自由席か指定席なのかを判別できる情報表示液晶が設置されています。
その他の設備
トイレ
比較的長距離を走行しますので、トイレも設置されています。
非常用設備
非常灯や非常通報装置などが設置されています。設置場所はわかりやすいように、矢印などで示されています。
最後に
以上、快速みえの解説でした。
何度も触れていますが、近鉄を利用される方が大半かと思われます。
しかし、近鉄とJRでは路線の経由地が異なることから、一部の観光地などはJRを利用したほうがアクセスが良い場合もあります。例えば、JRの二見浦駅は夫婦岩の最寄り駅ですが、近鉄は乗り入れておらず、バスに乗り換える必要がありますので、この場合はJRを利用したほうが良いでしょう(但し、列車の本数には十分注意しましょう)。
指定席を利用すれば、必ず座ることができるというアドバンテージを得ることが可能ですので、気が向いたらぜひ選択肢に入れてあげても良いのではないでしょうか。