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about16600系
16600系は、南大阪線・吉野線で活躍する汎用特急車両です。
同路線の汎用特急としては最新の車両となります。愛称は「Ace」です。
この車両は名古屋・伊勢志摩にも顔を出す「22600系」の弟分として製造された経緯があります。
そのため22600系と見た目はほぼ同じです。
最新型だけあってその設備はかなり充実しており、コンセントや、素足でも使用できるフットレスト、パソコン作業も安定して行えるテーブルなどが備わっています。
高機能ゆえ、旧型の汎用特急との差は大きく、特に最古参車両の「16000系」とはまさに天と地ほどの差が感じられます。
今回はそんな期待の新星(とはいっても登場は2010年)を今回は写真多めで解説していきます。
最古参、16000系の紹介も行っておりますのでぜひご覧ください▼
近鉄特急の仕組みはこちらの記事をチェック!▼
「兄貴分」の22600系に乗車した記事はこちら▼
運行区間
大阪阿部野橋~吉野(吉野特急)
車両編成
需要がそこまで大きくないため、2両で1編成となっています(製造は2編成のみ)。なお、通勤・帰宅時の着席需要に応える際は他の編成と連結して運用されるなど、柔軟に活用されています。
全車両が普通車指定席で、上級座席や自由席は存在しません。
予約の際に16600系を見分ける方法
同じ特急料金を支払うのであれば、車内設備が充実した車両に乗車したいと思う心理は当然のことです。
では、予約段階で16600系を見分ける方法はあるのでしょうか?
結論から言えば、車いす対応座席の有無などで把握は可能です。
というのも、基本的に旧式とそれ以外の区別は可能です。
旧式には車椅子対応座席が無いからです。車いす対応のアイコンが表示されていれば、それは自ずと16600系を含む比較的新しい車両になるわけです。
ここからが難しく、比較的新しい汎用特急は(南大阪線・吉野線で言えば)16600系の他にも、16400系という形式もあるからです。
前者と後者に車内設備の差はほとんどなく、ここの見分け方は座席数になってきますので、一般的な乗客の方は、車椅子アイコンで区別すれば、快適に移動できます。
どうしても16600に乗車したい方は、下のリンク先(外部サイト)が詳しく記載されていますので御覧ください。
Free Wi-Fi無し
残念ながらFree Wi-Fiは装備されていません。
というか近鉄の汎用特急がそもそもFree Wi-Fiが装備されていません。
個性派特急(しまかぜ・ひのとり)などが装備されていることを考えると、ビジネス需要も根強い汎用特急にもFree Wi-Fiの導入を強く望みたいところです。
車内紹介
外装
正面
現代的なデザインで、新塗装がよく似合っています。
おそらく汎用特急の新塗装(2016~)は、22600系(16600系の兄貴分)や16600系に一番似合うようにデザインされているのかもしれません。
行き先表示器
多色対応のデジタル式行き先表示器が側面に取り付けられています。
内装
普通車車内
車内全景
近鉄特急はもとより、全国の特急列車では標準的な2+2、4列の座席配置となっています。上手くまとまったインテリアと言えます。
座席
座席は控え目で上品な赤を基調としており、随所に工夫が施されています。ある意味近鉄汎用特急の座席の完成形とも言えそうです。
コンセント
2席で1つではありますが、コンセントが設置されています。無いよりは全然マシでしょう。
テーブル
パソコン作業や弁当を広げる際に便利な背面テーブルと、肘掛け内臓の側面テーブルの二刀流です。
最前列は前に座席がないため、壁に固定された背面テーブルを使用することになります。
清潔感も高く、使いやすさも抜群です。
フットレスト
フットレストは通常格納されており、展開するとまず土足で使用する面(床の色と同じ)が登場します。
足で器用に面を回転させれば、座席と同じ色の面(素足面)が登場。靴を脱いで、開放感を感じながら足を休めることができます。
実は、素足面まで備えたフットレストは汎用特急の中では貴重な存在です。
思う存分利用して恩恵に預かりましょう。
リクライニング
リクライニングは肘掛け側面のリクライニングボタンを押すと作動します。
写真の通り、結構倒れます。後席への配慮も大切ですが、休みたいときにはきっちり倒せそうです。
背面ポケット
フック
大阪で買った豚まんの紙袋や、おつまみがはいったレジ袋などをかけておけるフックが前席背面に装備されています。
取手
座席を回転させる際などに使う取っ手は至ってシンプルです。
枕カバー
枕カバーは紙製です。近鉄特急では当たり前ですが、JR西日本の在来線特急は合皮素材などに変更されています。
アームレスト
2席で個別に使うことができる中央の肘掛け(アームレスト)は、それぞれ折りたたみが可能で、双方跳ね上げれば物理的距離を取っ払うことができます。
窓
窓は大きめですが、近鉄特急の中では普通のサイズです。
窓際
窓際には切符や飲料などを置いておけます。なお、写真では特急券を置いていますが、近鉄特急は全席指定なので、基本検札はありません。財布にしまっていても大丈夫です。
カーテン
カーテンは横からスライドさせるタイプのものです。
棚
座席上部の棚は一般的なものです。
座席番号
棚の背面に座席番号が記載されています。全席指定の近鉄特急ですから、席を間違えないようにしっかり確認して着席しましょう。
情報表示液晶・トイレランプ
客室両端にニュースや停車駅などが表示される液晶、トイレの空き状況がわかるランプがそれぞれ装備されています。
その他の設備
トイレ
トイレは車椅子対応で、バリアフリーにも配慮した設計となっています。
洗面台
清潔感あふれる洗面台です。
ゴミ箱やおしぼりボックスも併設されています。
おしぼり
おしぼりは前述の洗面台の他にも、独立したおしぼりコーナーでゲットできます。なお、おしぼりは一人一個までです。
デッキ
通話は客室と外界の緩衝地帯であるデッキで行いましょう。
喫煙室(廃止)
かつて近鉄は愛煙家に優しい会社として名高く、私鉄では唯一車内で喫煙が可能でしたが、2024年3月1日をもって、すべての近鉄特急の喫煙室が廃止となりました。
ゴミ箱
ゴミはゴミ箱に捨てましょう。
最後に
今回は近鉄南大阪線・吉野線で活躍する最新汎用特急車両である16600系を紹介しました。
南大阪線・吉野線は近鉄の他路線と比較すると距離も短く、結構な頻度で遭遇できますので、乗れたらラッキーも良し、狙って乗車するのも尚良しという車両となっております。
南大阪線・吉野線の特急料金は一律520円です。この価格相応、もしくはそれ以上の設備が体験できると感じました。
乗車時間が短かったのが悔やまれる車両でした。
機会があればご乗車ください。