交通解説ブログ uwemaの日記 

JR四国について。

JR四国は高速道路に追い詰められています。予讃線土讃線などに並行するような高速道路が国土交通省主体で整備され、赤字に追い打ちをかけられています。

 

その国が、「ちゃんと31年までに改善しろ」と言ってくるのですから、国というのはわがままです。高速道路整備したらJR四国の収益が悪化するのは誰の目にも明らかです。

 

もし車で事足りるなら四国に鉄道は不要です。鉄道は、①大量輸送、②定時性、③速達性に長けています。

 

①大量輸送ですが、現在の四国の人口を考慮するとそこまでの需要があるように思えません。

 

②定時性ですが、定時性のみで鉄道が有利になるとは思えません。その面に関して言えば有利であることは確かですが、乗客にとっては速達性や料金も重要な決め手になってきます。例えば岡山~高知間では、所要時間はどちらも2時間半程度ですが、値段は特急南風の普通車自由席5540円に対して高速バスは4100円です。

 

③速さの面ですが、高速道路の自動車とJR四国気動車(電車)特急は、あまり速度が変わりません。となると、新幹線を作って初めて、鉄道の存在意義が見えてきます。

 

鉄道の伸びしろがある③について、詳しく見ていきましょう。

新幹線を作っても単独黒字は見込めないでしょう。日本が絶賛成長中ならば、大阪のベッドタウンとしての需要や、地価高騰を見かねて本社を四国にする関西企業もあるかもしれません。

もっとも、「新幹線を作ってから周辺を開発する」といった意見もあります。土地の利便性を高めないと来るものも来ない。なるほど。たしかにその意見には一定程度納得できます。

しかし、できてから開発を進めると言っても、金沢や札幌のような中核都市を結んで一定程度初期の需要を満たさないと赤字を量産することになります。それを国がすべて負担してくれるならいいんですが、国も赤字なので。

今の北海道新幹線が赤字ですよね。ただ、この子は函館が計画上の終着駅ではなく、暫定的に開業しているだけなんですが。

四国は人口が少なく、全人口でも370万人程度しかありません。

 

もし四国に新幹線を作るなら、すべて完成しても赤字であることを覚悟し、赤字の穴埋め方法を考えてから作るほうが良いと思います。

 

現状を踏まえ、四国に鉄道を残すための改善策を考えてみました。

 

無知な私の身勝手な意見ですが、新幹線として大阪~徳島~高松~松山~大分~熊本・岡山~高松~高知を作り、その他の在来線はすべて経営移管あるいは廃止し、新幹線の赤字をJR九州のような副業(四国の場合は自社管内ではなく、東京や大阪でビジネスしたほうが良い)で補って黒字を確保する、というような方針にすれば良いと思います。

 

上の意見に皆さんはどんな印象を持ちましたか。

「あまりに無謀で無茶だ」

「地元の意見を考えていない」

そんな声が聞こえてきそうです。

あくまでも上に書いた意見は鉄道を将来に渡って残したい場合のプランです。

私が勝手に書いた意見で、どこの構想でもありません。また、どの意見も否定するものではありません。

 

鉄道事業が赤字なのは従来と変わりませんが、新幹線を作れば自動車との棲み分けがなされ、将来的に鉄道が残る可能性が高くなります。

 

バスに任せることはバスに任せたほうが良いのではないでしょうか。無理やり鉄道が担当する必要があるのか疑問です。

 

四国において、鉄道の必要性、優位性は年々低下しています。時速100kmぐらい出せる幹線ならまだましですが、ローカル線は目も当てられません。これでは鉄道は高速道路に太刀打ちできません。そのような路線を、果たして残す意義があるのでしょうか。四国の主要都市を高速バスを遥かに凌駕する260km/hで結べば、鉄道の存在意義は確かに残ります。新幹線も今までの常識にとらわれず、単線化、4両・2両編成化などの経費削減を行えば、赤字も減ります。

 

時代は変化します。

このままでは鉄道というシステムそのものが四国には適さなくなるときがいずれ訪れます。

上の考えでなくとも、抜本的改革を行わないと、もう四国に鉄道が走ることはなくなるでしょう。

 

以上、uwemaがJR四国について思ったことでした。

 

 

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