今回は珍しく船です。
Aboutふじ
日本は敗戦から着実に復興を遂げていましたが、未だに十分とは言えなかった1955年、日本学術会議が南極調査への日本の参加を政府に要請。そして翌1956年、「宗谷」に改造を施して第一次南極観測隊が出発しました。
その後、幾多の困難を乗り越えて南極観測が軌道に乗った頃、新型砕氷船を迎え入れることになりました。それこそが「ふじ」です。「宗谷」と異なり、「ふじ」は当初から南極観測用砕氷船として建造され、昭和40年に就役しました。以降、昭和58年に後継艦の「しらせ(初代)」に引導を渡すまで、18年もの間「ふじ」は日本の南極観測を支えてきました。
引退後、名古屋港に係留され、博物館として第二の人生を歩んでいる「ふじ」を訪れてきたのでご紹介します。
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アクセス
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ふじの開館時間
9:30~17:00(月曜日定休・月曜日が祝日の場合は翌日が休館日・その他年末年始等例外あり)
詳細は、公式HPを御覧ください。
館内紹介
遠くから見てもひと目でわかる目立つオレンジ色の観測船です。
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ふじの前にはタロ・ジロの像があります。
タロ・ジロは、第一次観測隊とともに南極にやってきた樺太犬です。
第一次観測隊とタロ・ジロら樺太犬は、一年間を南極で過ごす予定でした。
しかし、一年後、迎えに来る予定の第二次観測隊を載せた「宗谷」が厚い氷に覆われて進めなくなり、スクリューも破損してしまいます。
結局、第二次観測隊の上陸は断念し、航空機で第一次観測隊を迎えに行くことになりました。
しかし、航空機に樺太犬を乗せる余裕はなく、タロ・ジロらは南極に残されることになりました。もちろん食料はほとんど残されていません。
残念ながらほとんどの犬は餓死してしまいましたが、タロ・ジロは、見事に耐え抜き、一年後に訪れた第三次観測隊を迎えました。
映画化もされているお話です。
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そんなタロ・ジロを横目に館内(船内)に入ります。
船内に入るとまず食堂が視界に飛び込んできます。博物館改装の際に少し小さくなったものの、昔はかなり広い食堂だったようです。
マネキンがリアルすぎてご飯をいただけるのかと思ってしまいました(本当の話)。
順路を進んでいきましょう。
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救助道具一覧。
この昭和な書体が個人的には好きです。
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船内には、大小様々な部屋があります。
「ふじ」に限らず、南極観測船には南極観測隊の他、船の運行を管理する乗員が乗船しています。穏やかな外洋を航行するフェリーやクルーズ船と違い、南極の厚い氷と勝負する南極観測船はそれだけ専門の乗員が必要になってきます。
南極観測船にとって、南極観測隊は「お客様」という扱いです。南極観測船は自衛隊所属で、乗員は基本自衛官です。南極観測隊は学者などで構成されていますから、きちんとした個室が割り当てられます。
しかし、船の乗員、幹部以外の自衛隊員に関しては狭い居住区での就寝となります。
人生楽あれば苦もまた多し、だそうです。精神的にも肉体的にも船での勤務はつらいものもあったのでしょう。
幹部に関しては南極観測隊同様、個室が割り当てられています。
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館内の通路は狭く、この船が娯楽のための存在ではなく、仕事道具であることを実感させられます。
重い荷物はローラーを使って運搬していたそうです。
寄港地の記念品が展示されていました。
基本部屋には入れませんが、トイレだけは現役です。
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理髪店です。
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一通り部屋を覗いたら、機関室に誘導されます。
南極の分厚い氷を砕くために、観測船は特殊な方法で氷を割ります。
薬品を使うとか、熱で溶かすとか、そんなハイテクな方法では有りません。(氷を爆破することはあるそうです)
分厚い氷を発見したら、観測船は一旦後退します。そしてその地点から一気に全速力で進行し、氷に乗っかります。
船の重みで氷を割るわけです。
なんて脳筋な方法なのでしょう。しかし、ずっとこの方法なのですから、結局これがベストな方法なのかもしれません。
なのでエンジンはちゃんとしたものである必要があります。
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暫く進むと展示室的なものになります。
暴風を通過した際の自衛隊旗だそうです。
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昭和基地だけじゃないんですね。
壁には、日本の南極観測の歴史が展示されています。
観測船の模型も展示。こうしてみると、随分ムックリしている船だなぁと実感できます。
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実物の雪上車も展示。
そのまま順路を進むと飛行甲板に案内されます。
ヘリが飛び立つこの甲板は、かねてからの猛暑でくらくらするほど熱気がすごかったです。
ヘリには結構近づけるんです。
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最後に
南極=未踏の地であることは昔から相変わらずです。ツアーも100万円ほど支払わなければなりませんし、なおかつ船から沿岸を眺める程度です。
ですが南極観測隊ともなれば、すべてを南極で完結させるので様々な貴重な体験ができます。
南極観測隊隊員のバリエーションは結構広く、衣食住が基地には必要ですから、意外な会社から隊員が派遣されることもあるそうです。
私の身の回りにも南極観測隊だった方がいらっしゃいますし、敬遠しているだけで意外と門は広いのかもしれません。
かく言う私も、「ふじ」を見て、テレビ番組ぐらいでしか知る手段がなかった南極について詳しく考えることができましたし、皆さんも是非訪れてみてはいかがでしょうか。
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