交通解説ブログ uwemaの日記 

<2023年最新>はるか彼方へのアクセス特急!JR西日本「はるか」281系・271系徹底解説(普通車・グリーン車など)

目次

aboutはるか

開発経緯

新空港建設

1980年代、関西の空の玄関口といえば「大阪国際空港伊丹空港)」でした。しかし、市街地と至近距離に位置しており、近隣住民の方々は騒音に悩まされていました。特に、昔のジェット機は今とは段違いの爆音でしたから、たまったものではないでしょう。

それ故、離発着時間が制限されるなど様々な制約が課され、伊丹空港は日本第2位の都市圏の玄関口を務めることが難しくなってきました。

この状況を打開するために、大阪湾の沖合に人工島を作り、24時間離発着可能な空港を建設しようということになりました。

それこそが「関西国際空港関空」なのです。

アクセスは道路と鉄道

さて、関西国際空港へのアクセスが問題になるわけですが、道路鉄道併用橋を建設することになり、JR阪和線及び南海本線に接続することになりました。

JRはライバルの南海に負けぬよう、乗車券のみで乗車できる「関空快速」、そして有料特急の「はるか」を運行することになります。

関空快速の解説記事は以下を御覧ください。

uwema.hatenablog.com

1994年、関西国際空港の開港と同時に「はるか」はデビューしました。登場してから来年で30年になります。

新型車両は少数

2019年には運行開始当時からの「はるか」である281系の後継車両、271系が登場しました。車内設備が大幅にアップグレードされましたが、少数の導入に留まりました。増結用編成としての位置づけが強く、新型に確実に乗車できる方法は存在しません。

来たらラッキーぐらいにしておくほうが無難でしょう。

今回はそんな「はるか」(281系・271系)のグリーン車・普通車の設備を徹底的に解説します。

運行区間

野洲関西空港(京都以東からの始発は少ない。基本は京都~関西空港

停車駅

野洲・守山・草津南草津・石山・大津・山科・京都・(高槻)・新大阪※大阪天王寺・(和泉府中)・(日根野)・関西空港
()内の駅は一部列車のみ停車
大阪駅うめきた地下ホームから発車します。うめきたホームの場所がわからない方は以下の記事を御覧ください。

uwema.hatenablog.com基本的に主要駅に停車する感じですが、朝夕は通勤特急としての役割も果たすため、通勤需要が見込める駅にも一部列車が停車していきます。

車両編成

はるか車両編成

JRおでかけネットより

基本編成は1号車から6号車までの6両編成ですが、一部の列車は7~9号車を連結した9両編成で運行されます。グリーン車は1号車で、自由席も設定されています。

車両紹介

外装(281系

281系

どこか近代的で優しさを感じるカラーリングに、最近はハローキティが顔をのぞかせています。

はるかロゴ

インバウンド云々の随分前から筆書体のロゴとは、さすが先見の明を備えたJR西日本です。

外装(271系)

271系外装

271系

「くろしお」などで活躍する287系や2024年から投入される「やくも」の新型に似た表情です。切り立った崖の上に高運転台が設置されています。

行き先表示器(271京)

行き先表示器

最近の車両らしく271系は行き先表示器がデジタル方式です。281系は方向幕です。

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内装(座席以外の車内設備)

トイレ(281・271系共通)

トイレ(281系)

トイレ(281系

この他に、男性専用トイレも設置されています。

トイレ(271系)

トイレ(271系)
車内清掃時に、安全な車両の外から撮影しています。

水回りは他にも洗面所が設置されています。

荷物置き場(281・271系共通)

荷物置き場(281系)

荷物置き場(281系

荷物置き場(271系)

荷物置き場(271系)

空港アクセス特急らしく、スーツケースなどを置いておける荷物置き場が設置されています。

小荷物置き場(281系)

小荷物置き場(281系

元々なにかあったんだろうなと感じさせられるスペースです。

自動販売機はない

自動販売機は昔存在しましたが今は消滅しました。駅の売店で購入しましょう。

ゴミ箱(281・271系共通)

ゴミ箱(281系)

ゴミ箱(281系

ゴミ箱(271系)

ゴミ箱(271系)

ゴミはゴミ箱に捨てましょう。

情報表示液晶(281・271系共通)

情報表示液晶(281系)

情報表示液晶(281系

情報表示液晶(271系)

情報表示液晶(271系)

客室上部に設置されている液晶には運行情報やその他様々な文字が並びます。

フリーWi-Fi

全車両でフリーWi-Fiが利用できます。

座席

281系普通車座席

座席全景

普通車座席(281系

「はるか」に乗車した場合、一番遭遇する確率が高い座席がこの座席です。デザインや設備は数世代前のもので、お世辞にも満足度は高く有りません。

山陰本線の特急「スーパーおき」の座席に近いものを感じます。

座席クローズアップ

座席に漂う旧世代感

漂う旧世代感
テーブル

側面から引き出すタイプのミニテーブルが装備されている以外、存在しません。

コンセント

コンセントは設置されていません。(271系はあります)

車椅子対応座席

車椅子対応座席

車椅子のお客様に向けた座席が設置されています。こちらは271系にも設置されています。

271系普通車座席

車内全景

普通車座席(271系)

271系は最近製造された車両のため、近年のJR西日本ではよく見かける座席になっています。おそらく新快速有料座席A-SEATと同一の座席(モケットは違う)が使用されていると思います。

A-SEATってなんやねんと思った方は下の記事を御覧ください。

uwema.hatenablog.com

テーブル

背面テーブル(271系)

背面テーブル

はるか唯一の背面テーブルです。281系には普通車・グリーン車どちらにも背面テーブルが装備されていません。デビュー当時の社会状況を勘案すると致し方ないですが。

コンセント

アームレストにコンセントが設置されています。

座席番号

座席番号

座席番号

座席番号は棚の裏面や座席取っ手にも記載されています。

281系グリーン車座席

車内全景

281系グリーン車座席

普通車とは一線を画す、3列(2+1)の配列で座席が並びます。

1列座席

1列座席

2列座席

2列座席

なかなか恰幅の良い座席です。もやしと揶揄される筆者が座るにはあまりにも大きすぎます。

テーブル

背面テーブルは設置されていませんが、サイドテーブルが設置されています。

引き出しに格納されているミニテーブル

肘掛けに格納

ミニテーブル

ミニテーブル(展開時)
フック

フック

フック

前面座席の背面におしゃれなフックが取り付けられています。

枕

普通車にはないどっしりとした枕が備え付けられています。感触も良好です。

リクライニング

リクライニング

リクライニング

手前はリクライニング最小、奥はリクライニング最大の状態です。体感はかなり倒れる感じです。

最大角度と最小角度の差

最大角度と最小角度の差

リクライニングボタン

リクライニングボタン

リクライニングボタンを押して倒れる方式です。

フットレスト

グリーン車フットレスト

フットレスト

普通車にはない設備の一つ、フットレストです。しかし、新幹線のグリーン車とは異なり、靴を脱いで利用するタイプではなく、土足のみで使用するタイプです。

足元

足元は広々

足元は広々

グリーン車なだけあって、足元は広々としています。

カーペット

足元はカーペット

足元はカーペット

グリーン車は床がカーペットとなっています。

照明

棚裏の照明

棚裏の照明

照明は棚の裏に設置されています。読書灯は装備されていません。

BlueSignal

ブルーシグナル

ブルーシグナル

グリーン車のサービスの一環で、機関紙が備え付けられています。

窓

グリーン車に限ったことでは有りませんが、在来線特有の大きな窓が備え付けられています。

窓枠

窓枠には小物をおいておける

窓枠には小物をおいておける

窓枠にはちょっとしたものが置いておけます。

座席番号

座席番号

座席番号

座席番号は棚の裏に貼り付けられています。

平均的な棚

棚は一般的なものです。荷物置き場があるので、絶妙に置いておきたいものを入れましょう。

最後に

JRならではの路線網を利用して、関西国際空港と大阪・京都をダイレクトに結ぶ特急はるかは、間違いなくJR西日本の代表的な特急列車と言えるでしょう。

裏を返せば、「はるか」で日本の鉄道に初めて触れる観光客の方々もいらっしゃいますので、がっかりさせないよう、設備はきっちり整えておく必要があります。

しかし、導入から30年が経過しようとしている281系がいまだ主力車両で、設備も最新と言えない状況では、果たして空港アクセス特急としての役割を果たせるのかと疑問に思う部分も存在します。

しかし、新型車両を積極的に導入するJR東日本とうって変わって、JR西日本は車両を長く大切に使用する会社です。しばらくはこのままかわりがないものと思われます。

今後、271系のさらなる導入や、新しいグリーン車の開発をぜひお願いしたいところです。