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aboutスーパーはくと
特急スーパーはくと号は、京都・大阪から東海道・山陽本線、智頭急行線を経由して鳥取県に向かう特急列車です。
JR西日本と智頭急行が運行するこの特急は、すべて智頭急行の「HOT7000系」で運行されています。
運行開始は1994年。直後に発生した阪神・淡路大震災の影響も受け、決して順風満帆な歴史ではありませんが、京阪神と鳥取を結ぶメインルートとして利用されています。
スーパーはくと号は従来の鳥取方面への特急よりも高性能かつ、高規格な路線(智頭急行線)を経由することで従来の特急列車と比較しても大幅な時間短縮を実現し、ディーゼル車両でありながら最高時速は130km/hと、日本トップクラスの速度で駆け抜けています。
今回はそんな陰陽連絡特急の看板車両、スーパーはくと号を詳しく解説していきます。
運行区間
京都・大阪~鳥取・倉吉(神戸・西明石・加古川には一部列車のみ停車)
2023年度まではすべての列車が京都駅まで乗り入れていましたが、2024年3月16日のダイヤ改正以降、京都に乗り入れる列車は激減。
また、鳥取駅まではすべての列車が運転されていますが、鳥取駅から先、倉吉駅まで足を伸ばす列車も限られてきます。
詳しくは以下の表を御覧ください。
スーパーはくと | 鳥取・倉吉方面 | 大阪・京都方面 |
京都発着 | 1号・3号 | 14号・16号 |
倉吉発着 | 1号・3号・5号・7号・(13号) | 2号・4号・8号・(10号)・12号・14号 |
スーパーはくと10号・13号は「2024年3月16日→9月30日運転の臨時列車」 |
使用車両
「HOT」とは、
H…Hyogo
O…Okayama
T…Tottori
の略です。英単語の「hot」も兼ねています。
兵庫・岡山・鳥取の三県は智頭急行への出資者であることから、この3県の頭文字が車両名になっているというわけです。
車両編成
スーパーはくと号の車両編成
普通車自由席:なし
普通車指定席:1~3号車・4号車の半室・5号車
グリーン車:4号車の半室
2024年3月16日のダイヤ改正より、スーパーはくと号は全車指定席となりました。
グリーン車の通り抜けには気をつけましょう!
グリーン車は4号車の半室となっており、編成の中間に位置します。
グリーン車は「グリーン券を購入した乗客の空間」ですから、たとえ着席しなくとも、グリーン車への入室にはグリーン券が必要です。
そのためグリーン券を所持していない乗客がグリーン車を通り抜けることは基本的に不可能です。
ですから、5号車に乗車するのであれば5号車の乗車口から乗り降りするなど、快適な車内環境づくりにご協力お願いします。
同じ理屈で、4号車の普通車指定席に乗車される方は、3号車の4号車寄りの乗車口をご利用ください。4号車にもドアはありますが、そこから4号車の普通車部分に向かおうとするとグリーン車を通り抜ける必要があるためです。
但し、緊急事態発生時に車端部の車掌室(乗務員室)に知らせに行くなど、そういった場合などは社会の常識的に判断していただければと思います。
Free Wi-Fi
すべての車両でFree Wi-Fiが利用可能となっています。
よくある無料登録式のWi-Fiではなく、パスワードを入力するタイプのWi-Fiです。
パスワードは客室の壁に記載されています。
車内紹介
外装
正面
スーパーはくと号の顔は2種類あります。
流線型の車両とそうでない車両です。
側面
銀色のボディーに青のラインがよく映えます。
行き先表示器
行き先表示器は多色対応のデジタル式です。カメラの都合で文字が読みにくいですが実際はきちんと表示されています。
内装
普通車車内
車内全景
今回は4号車の半室部分(普通車指定席)に乗車しました。全体的に和を感じる色調です。
座席
茶色の座席に、木目の肘掛けが似合います。智頭急行の車両とあって、JR西日本の座席とは一味異なるデザインと座り心地です。
最近の特急座席は硬めの座席ながらも人間工学に基づいた大きめの背もたれが装備されており、こちらも快適ではありますが、スーパーはくと号の座席はどちらかといえばクッションのようなふわふわした座り心地で、こちらもまた快適なのです。
コンセント
座席の下にコンセントが設置されています。2席で1つということで、仲良く分け合いましょう。百均で二股もしくは三股を購入して乗車するのも良いかもしれません(タコ足配線にはならないようにしましょう)。
リクライニング
リクライニングはそれなりに倒れます。特段感想を抱くほどのものではありません。
テーブル
テーブルは背面テーブルのみ設置されており、JRの車両にありがちな肘掛け内臓のミニテーブル等は装備されていません。
背面ポケット・ドリンクホルダー
雑誌などを入れておける背面ポケットと、それに付随してドリンクホルダーも設置されています。
フック
お土産袋などを掛けておけるフックが数か所設置されています。
アームレスト
中央のアームレストは折りたたみが可能です。
フットレスト(足置き)
普通車にもフットレスト(足置き)が装備されています。簡易的なものですが足の角度を変える際に重宝するでしょう。
カーテン
カーテンは上から引き下ろすタイプのものです。無段階で固定が可能です。
窓際
窓際にはちょっとしたものを置いておくことが可能です。
窓
窓のサイズは普通です。
棚
座席上部の棚は一般的なものです。忘れ物には注意しましょう。
座席番号
窓の上部には座席番号が記載されています。スーパーはくと号は全席指定席ですので、手元の特急券をよく見て着席しましょう。
モニター(前面展望表示)
客室に設置されているモニターで前面展望が確認できます。
近鉄特急の一部などで見られる心遣いですが、全国的にも珍しい装備です。
情報表示液晶・トイレランプ
客室の両端には停車駅や沿線情報などを表示する情報表示液晶が、その隣にはトイレの使用状況が確認できるランプが備わっています。
その他の設備
トイレ
デッキにはトイレが備わっています。
洗面台
清潔感と共に少し年季を感じますが洗面台も装備。
自動販売機
1号車には自動販売機が設置されています。
荷物置き場
スーツケースなどを入れておける荷物置き場がデッキに設置されています。
ゴミ箱・消火器
ごみはごみ箱に入れましょう。
消火器も近くにまとめられています。
最後に
今回は特急スーパーはくとの車内の様子を徹底紹介しました。
登場から30年が経過し、細かな更新工事は施工されたものの、美装化等は施工されなかったため、全体的に古さを感じる内装となっています。
第三セクターの車両という特性上、沿線自治体の意向も大いに関わってくる新型車両の導入ですが、智頭急行の業績が好調なこともあり、検討は少なからず行われているようです。
しかしながら少しばかり導入には時間がかかると思いますから、それまではこのままの設備で耐えるのかもしれません。
とはいっても設備はJRの車両と比較しても高い水準のものなので、鳥取方面への利用にはぜひご利用ください。
参考文献
JTB小さな時刻表(2024年春号)
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