aboutひのとり
近鉄特急の花形中の花形はやはり名阪特急です。時間では新幹線に劣るものの、料金やサービス面で新幹線を上回る近鉄は、独自の顧客を獲得しています。
そんな名阪特急に登場した新型特急が皆さんご存知「ひのとり」です。
名阪専用特急ではアーバンライナーnext以来の新型だけあって、様々な部分で進化を感じます。例えば、従来の「DXシート」に相当する上級座席は大幅な進化を遂げ、新幹線の「グランクラス」のような本革の座席に生まれ変わりました。
また、全席にバックシェルが搭載され、リクライニングしても後ろの人に迷惑をかけないし、前の人がフルリクライニングしてもこちらは一切窮屈な思いをしないようになりました。長年に渡る「リクライニング角度論争」に終止符を打ちそうです。
阪奈ひのとり
基本的には大阪と名古屋の間を走行しているひのとりですが、一日数往復、大阪と奈良を結ぶ近鉄奈良線を営業列車として走行します。阪奈特急は、昼間は運行されず、通勤ライナーとしての性格が強いです。近鉄奈良線を利用するサラリーマンの方々はプレミアムシートで通勤されてはいかがでしょうか。片道結構しますけどね。
乗車記
(乗車日:2022年5月3日)
やってきたのは近鉄奈良駅。だいぶ昔に地下化される前は地上を車と一緒に併用軌道のごとく走行していました。基本的に、大型車の併用軌道走行は認められていないのですが、近鉄は「これは踏切だ」と言い張り、走行させていたそうです。賢いですね。それも今は地中に潜り、ホームには若草色の柱が並んでいます。
入線してきました。ひのとりは初乗車です。もっとも、サブ的位置づけである阪奈運用が初乗車なのは少し不思議な気分でもあります。
ひのとりが学園前や生駒に停車するのは違和感しかありません。(否定しているわけではないですよ)
それでは、乗車しましょう。
先に、レギュラー車両を覗きます。
2+2の座席が整然と並んでいます。雰囲気がたまりません。そう簡単に演出できるものではないはずです。
それでは、いよいよプレミアム車両へ。
入った瞬間、オーラに圧倒されました。若造の俺がこんな場所に入ってもいいんだろうか。そう不安にさせてくる雰囲気です。今は誰も居ないので普通に席に向かえましたが、入った途端にサラリーマンの視線を一斉に浴びると、失神してしまいそうです。
これは座席じゃなくてソファですね。
座った瞬間には感動を覚えました。包み込まれる間隔、抜群の安心感と安定感。
言葉では言い表せない何かを感じることができます。
フル展開しました。この状態で座ると、もう最高。(語彙力)
この写真はご覧の通り走行中に立って撮影しているのですが、全くブレていません。素晴らしい揺れ軽減技術です。場所や速度にもよると思いますが。
また、プレミアムカーはハイデッカー構造となっており、他の車両と比べて目線が高い位置になります。
机は十分なサイズを確保。ドリンクホルダーも肘掛けに設置。
シートの肘掛けには、各種操作ボタンがあります。
入り口上の巨大ディスプレイには、停車駅や設備、そしてなんと接続路線の発車時刻まで表示されます。すごい!
一旦プレミアムカーを離れ、デッキに向かいます。
大荷物もらくらく入るロッカーがあります。
あのシートから離れることなどuwemaは絶対できませんが、ちょっとした通話などに便利なベンチがあります。いたって普通のベンチです。
挽きたてコーヒーやひのとりのグッズ、インスタントスープやちょっとしたお菓子が手に入る、カフェスポットがあります。現金のみで、キャッシュレス非対応。
両替機があります。硬貨しか使えないですからね。
名阪間は近鉄特急で約2時間。コーヒーを飲みながら、プレミアムシートに身を委ねる。なんて素晴らしいのでしょう。
阪奈ひのとりはそんなひのとりの体験版とも言えそうです。
写真に見えるのは平城宮跡です。近鉄奈良線は、この史跡を堂々と横断しています。今はこんなことできないのですが、その昔、近鉄の前身である大阪電気軌道が奈良までの路線を開業したときは、平城宮の全体像が未把握で、あっさりこの場所に線路を通すことができたのです。
阪奈特急は30分弱の道のりです。あっという間に終点に到着します。(途中の写真は撮り忘れました。)
総括
阪奈ひのとりは、本数が少なく、時間を狙わないと乗車できるチャンスは大いに低下します。しかし、奈良北部の美しい景色(写真撮り忘れた)を、快適なシートと静粛に包まれて移動でき、「これなら多少追加料金を払ってでも乗りたい」と思える列車です。
ひのとりを試してみたい他地方の方、ひのとりで通勤してみたい近鉄ユーザーにおすすめできます。
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